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解説!ユニフォーム開発の技と流儀

TECHNIQUES AND STYLES

汗ジミの目立たないスクラブの色選び

汗ジミの目立たない色選び

著者情報 Author

フォーク株式会社 製品企画開発顧問
篠崎 彰大 氏


2007年に株式会社ワコール人間科学研究開発センター(旧、ワコール人間科学研究所)所長として、フォーク株式会社と女性向け白衣「ワコールHI コレクション」の共同開発をリード。現在は、データに基づく商品企画や、製造ノウハウに関する豊富な知見から、フォーク株式会社 製品企画開発顧問として様々なアドバイスを行う。

汗ジミ対策は”色選び”といっても良いかもしれません。
患者対応や処置、院内の移動など、医療現場では汗をかくことを避けられません。医療従事者は、暑さによる発汗だけでなく、緊張や集中によって発生する発汗が起こりやすい環境で働いています。
だからこそ、「汗をかかないような快適さ」だけでなく、「かいた汗を目立たせない工夫」が重要になってきます。
実は汗ジミは、ユニフォームの色によって目立ち方が大きく異なります。今回実施した、32色のスクラブを使った汗ジミ実証実験から見えてきた、汗ジミが目立ちにくい色の傾向と、快適に働くためのスクラブ等の選び方をご紹介します。

汗ジミが目立つのは脇の下です

【1】汗の役割は「体温調節」です。
人間は体温が上がりすぎると、死ぬ危険性が高まるので、脳から指令が出て全身から汗を分泌します。
全身に分布している汗腺から出た汗はすぐに液体から気体に変化して周囲の熱を奪うので、体温の上昇を防ぐことができます。

【2】汗には暑い時に出る「温熱性発汗」と緊張した時に出る「精神性発汗」があります。
温熱性発汗では全身から汗が出ますが、精神性発汗は脇の下・手のひら・足の裏に限定されます。

【3】スクラブで最も汗ジミが目立つ部位は脇の下です。ではなぜ脇の下に汗ジミが目立つのか?その理由は3つあります。
1:脇の下は「温熱性発汗」と「精神性発汗」の両方で発汗するから発汗量が多い。
2:脇の下は他の部位に比べて汗腺の密度が非常に高いから発汗量が多い。
3:脇の下は腕と胴体が密着していて風が通りにくく汗が蒸発しにくい環境だから汗がたまりやすい。

以上の3つの理由で脇の下は最も汗ジミが目立ちやすくなっています。

汗ジミの目立たない色選び

汗ジミが目立つ色は、グレー
目立たない色は、白黒

汗ジミの目立たない色選び

スクラブの色の違いによって汗ジミがどの程度目立たなくなるのか、実験してみました。

1:最も目立たない色は白と黒
汗で濡れても、生地の色が変化せず、濡れていない部分との色の差が生じないため、汗染みは目立ちません。

2:レッド、オレンジ、リビングコーラル、チェリーピンクは、純色で暖色系の濃い色なので、汗でぬれた時の色の変化が小さく、濡れていない部分との色の差が発生しにくい傾向がありました。

汗ジミの目立たない色選び

3:ダークネイビー・ミッドナイトネイビーの2色はネイビーの中でも濃い色で汗で濡れても変化せず、色差が出にくく汗染みが目立ちません。

4:ピーチファズ・マスタードイエローは 純色に白を混ぜた明清色なので、白と同様、濡れても色の差が生じにくく、汗染みが目立ちません。

汗ジミの目立たない色選び

5:それに対して汗ジミが目立ちやすい色の代表は、「グレー」。
グレーは汗を吸うと濡れた部分が濃い色に変化し、乾いた部分との色の差が大きくなるためです。

6:次に「ベージュ」や「淡いカーキ」も、汗染みが目立ちやすい色です。
これらは純色に白と黒を混ぜた色味なので、グレーと同様で水分を含むと濡れたところが濃く変化してしまいます。

7:涼しげな印象の「パステルカラー」「淡い水色」や「ベビーピンク」「ラベンダー」は、見た目の涼やかさとは裏腹に、汗で濡れると変化し染みが目立ちました。

汗ジミを目立たなくするための肌着の選び方

汗ジミの目立たない色選び

汗ジミ実験に使用したパントン(型番:7000SC)は、被りタイプのゆとりの大きなボックスシルエットなので、常にスクラブ内に風が通る煙突効果の高いスクラブです。
つまり汗染みができにくい製品です。

汗ジミの目立たない色選び

これを着ても脇汗が気になるという場合は色選びだけでなく、インナーの力を借りると良いでしょう。スクラブの下にエアリズムメッシュのような吸汗速乾メッシュ肌着を着用することをお勧めします。

吸汗速乾メッシュ肌着は、汗を素早く吸収するだけでなくメッシュ部分に風が当たることでより早く乾燥しやすくなっている肌着です。スクラブの下にこのようなに吸汗速乾肌着を着用したら、脇汗はまず素早く肌着に吸収され、その汗はスクラブの煙突効果によってどんどん乾いていくので、スクラブ表面まで汗が染み出さなくなって汗ジミの心配はかなり緩和されるのです。

まとめ

医療従事者にとって、仕事柄、脇汗は防ぎようがありません。
しかしスクラブを上手に選ぶことで、汗ジミの恥ずかしさを小さくすることができます。

濡れた時の色の変化の少ない色選び、ボックスシルエットで煙突効果を最大限発揮できるスクラブ選び、スクラブの下にメッシュ状の吸水速乾肌着を着用する。等々の対策で脇汗が発生しにくく、万一脇汗が発生してもシミとして目立ちにくいユニフォームで、安心して快適に仕事していただけるようになります。

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