今回のテーマ 黄緑

芽吹いたばかりの植物は、例外なく柔らかで透きとおるような黄緑をしています。
この色のキーワードとしては「若々しい・フレッシュな・可能性・再生」などが挙げられ、ファッションでは毎年春先になると出てくる色でもあります。系統色名としての黄緑は「黄と緑が半々で構成されている色」という意味をもちます。

赤リンゴ、青リンゴ

私たちが日常生活で使う色の名前は、子どもの頃、言葉を覚える過程でほぼ無意識に習得します。つまり、どのような文化・環境下で育ったかによって、色の語彙に違いが出てくるのです。イギリスで出版されている「色をテーマにした絵本」の中でリンゴはGREENのページに登場し、そこにはapple greenという色名が掲載されています。これに対し日本では、リンゴは当然のように赤のページに登場します。これこそが文化の違いで、日本人に「リンゴを思い浮かべてください」と伝えれば、ほとんどすべての人が赤いリンゴを思い浮かべることでしょう。

日本では植物、フランスでは食べ物

日本の伝統色における黄緑系の色は「萌黄(もえぎ)」と呼ばれることがあります。同じ読みで萌木または萌葱という字を用いることも。これは文字どおり春先に萌え出る植物の色から名づけられたのですが、同じ系統の色がフランスの伝統色ではシャルトル―ズという緑色をしたリキュールの名前で呼ばれます。もうお気づきかもしれませんが、日本の色は植物に由来するものが圧倒的に多く、フランスの色は食べ物や飲み物に由来するものが意外と多いのです。

部屋の一部をカラフルに!

自分の家の内装を好きな色の塗料で塗ることは欧米ではごく当り前のこと。映画のワンシーンとしても出てくることがあるくらいです。日本では最近になってようやく認知され始めた感じでしょうか。素人でも既存の壁紙の上からラクに塗ることができ、美しく仕上がる塗料が各メーカーから出ており、カラーバリエーションもますます充実してきています。飽きてしまったら気軽に塗り替えができるのも塗料の良いところ。まずは四方の壁のうち、どこか一面だけに色を施してみるのはいかがでしょう?イエローグリーンを使えば、前向きな気持ちにリフレッシュできそうです。

妻を替える代わりに色を替える

日本において色の専門家というのはまだまだ珍しい職業ですが、アメリカでは1950年代からカラリストたちが活躍していました。その中のひとりLouis Cheskinは著書『COLORS~What they can do for you』の中で「妻が憂鬱とか非常な神経過敏とかの理由で離婚しようと考える男性には、まずあなたの家庭の色彩計画を変えるように、そうすれば奥さんはきっといい奥さんになる」と紹介しています。この文章が言わんとしていることは「身の回りにある色を変えることで気分が変わる、人は気分が変わることで情緒的な安定や安心感を得ることができる」ということ。職場ではスタッフが着用している制服の色を少し変えてみるだけで、職場の雰囲気が変わるかもしれませんね。

【執筆・監修】桜井輝子 (さくらい てるこ)

【執筆・監修】桜井輝子 (さくらい てるこ)

国際カラーデザイン協会(ICD)教育本部 関東甲信越支部長、カラーデザインマスター
1967年生 東京都出身。
企業の商品をより魅力的に演出するためのカラーコンサルティングや研修、大学・専門学校での色彩教育、色を用いた販促ツールや教材の企画制作において20年以上の経験と実績を持ち、豊富な知識と現実に則したアドバイスに定評がある。人に役立つ色彩の提案業務を長く続けてきたことが評価を受け、カラーコーディネーターとしては初めて環境色彩コンペティションの審査委員に選出される。その他、海外に向けて日本伝統色をモチーフにした商品のプロデュースを手がけている。東京カラーズ株式会社 代表取締役。

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