解説!ユニフォーム開発の技と流儀
TECHNIQUES AND STYLES
ユニフォームのモノづくりには、一般の洋服とは異なる独特の技術やノウハウが必要です。働きやすさをサポートする機能の実現や様々な体型の老若男女を輝かせ、チームワークを醸成するためのデザイン開発など、ユニフォームならではのモノづくりの舞台裏をご覧ください。
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フォーク株式会社 製品企画開発顧問
篠崎 彰大 氏
2007年に株式会社ワコール人間科学研究開発センター(旧、ワコール人間科学研究所)所長として、フォーク株式会社と女性向け白衣「ワコールHI コレクション」の共同開発をリード。現在は、データに基づく商品企画や、製造ノウハウに関する豊富な知見から、フォーク株式会社 製品企画開発顧問として様々なアドバイスを行う。
クールビズの知識を使った涼しさを感じるスクラブ
医療従事者の方々へユニフォームに対しての要望を調査をしたところ、「動きやすさ」と合わせて「通気性と涼しさ」が非常に多く見られました。その背景には「仕事中に汗をかいてもこまめに拭いたり、着替えたり」という事ができない環境が大きく関係していると思われます。
今回は「体温分布」や「発汗分布」を元にクールダウンスポットが効果的に冷やせる機能(ふいご作用や煙突効果)を考慮ながら開発した製品についてお話をさせていただきます。

PANTONE(パントン)が選ばれ続ける理由
カラースクラブの代名詞ともいえるフォークの「PANTONEシリーズ」。2009年の発売以来、病院、クリニック、歯科医院など、あらゆる施設に採用されているヒット商品です。37色にも及ぶカラー展開(※2025年4月現在)で、表現したい病院施設のイメージ、好みの色が必ず見つかる色の豊富さが特徴ですが、長く支持される理由は他にもあるようです。その秘密は綿混の平織生地と男女兼用に対応したデザインにあると考えられます。ベストセラー商品のユニフォームを深堀りすることで、医療従事者がスクラブに期待するニーズを探っていきたいと思います。
