総集編3

1年間連載させて頂いた「イロのチカラ」も今回が最終回となります。本連載ではそれぞれの回ごとにテーマカラーを設定し、その色の個性と特徴についてご紹介するとともに、テーマカラーの関連商品をおすすめして参りました。締めくくりは「配色の効果」について取り上げたいと思います。「ある目的に応じて2色以上の色を組み合わせること」を配色と定義しますが、ファッション業界で一般的に使われている配色用語を5つ取り上げ、易しく解説させて頂きます。

ドミナントカラー

ビジネスの世界にドミナント戦略という言葉があるように、ドミナントとは「支配していること、優勢であること」を意味する言葉です。また、ここでのカラーは「色相」を意味するため、ドミナントカラーとはまさに、色相に支配されている配色ということになります。この風景画像は、ほぼ青の色相だけで構成されているため、ドミナントカラー配色と呼ぶことができます。色相のもつイメージやメッセージを表現しやすい配色技法です。

トーンオントーン

トーンとは色調(色の調子)を表わす言葉です。私たちが普段の生活の中で色を扱う時には「明るい感じが好き」とか「和のイメージにしてください」というように、色のイメージを中心に話を展開するほうがラクで、相手にも伝わりやすいのではないでしょうか?トーンオントーンとは文字どおり「トーンの上にトーンが重なる」という意味で、同系色の濃淡配色になります。画像はピンクの濃淡で、まとまり感の中に適度なメリハリ感が出るのが特徴です。

トーンイントーン

トーンイントーンとは「トーンの中で」という意味の言葉です。トーンを揃えてさまざまな色相を同居させる配色方法で、画像のお菓子は典型的なトーンイントーン配色となっています。トーンのもつイメージがそのまま配色のイメージになるため、カラーバリエーションを増やしたい時にはトーンイントーン配色で使用するトーンを変えて行くと、驚くほどのイメージ変化を楽しむことができます。日本語で表現するならば、同一トーン配色となります。

トリコロールとビコロール

トリコロールという言葉のうちトリは「3、3つの」コロールは「色」という意味です。はっきりとした色を使い、メリハリのある3色配色にしたものがトリコロール配色です。国旗にはこの配色が数多く見受けられます。なお、ファッション業界では赤・青・白の3色配色だけをトリコロールと呼びます。ビコロールはまたの名をバイカラーといい、青と白、赤と黄色、赤と白などのようにメリハリのある2色配色を意味する言葉です。

【執筆・監修】桜井輝子 (さくらい てるこ)

【執筆・監修】桜井輝子 (さくらい てるこ)

国際カラーデザイン協会(ICD)教育本部 関東甲信越支部長、カラーデザインマスター
1967年生 東京都出身。
企業の商品をより魅力的に演出するためのカラーコンサルティングや研修、大学・専門学校での色彩教育、色を用いた販促ツールや教材の企画制作において20年以上の経験と実績を持ち、豊富な知識と現実に則したアドバイスに定評がある。人に役立つ色彩の提案業務を長く続けてきたことが評価を受け、カラーコーディネーターとしては初めて環境色彩コンペティションの審査委員に選出される。その他、海外に向けて日本伝統色をモチーフにした商品のプロデュースを手がけている。東京カラーズ株式会社 代表取締役。

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